おまえとなら死んでも良い
●頻繁に記事の更新をするには忙しすぎる。春先には「廃業」の危機を感じるほど暇だった仕事が、7月頃より忙しくなってきた。そして今は抱え込んだ仕事をどうやってつつがなく引き渡そうかともがき苦しんでいる。一年間平均的に仕事があればいいのだが、雪国の宿命で、ある時期に仕事が集中してしまう。つらいところであるが、キリギリスのようにこの時期にコンサート三昧にフケルわけにはいかない。これからは記事の更新も不定期になると思うが「あしからず」である。
●私は食べ物の好き嫌いがほとんどない。空気さえあれば、多分世界中どこでも生きていけるだろう。およそ口に余るものがないのだ。
フグの活き作りやベニテングタケのソテーは勘弁していただくが、毒素を含んでいない食い物であればたいがいはいける。そんな私でも、苦手な食い物をどうしても、どうしても一つあげろと、刃物で脅されれば、ひとつだけあげることが出来る。それはモロヘイヤである。こいつを食べるとなんだかのどがヒリヒリする。栄養素をたくさん含んでいるという噂だが、のどを通過するときの不快感を考えると、栄養なんてどうでもよい。青臭いにおいも好きになれないし、中途半端なぬめりも気持ち悪い。しかし、世の中にはこんな植物でも好んで食べる人がいるのだから、人間の嗜好は不思議なものだ。
●不思議と言えば、私が子供の頃、スイばあちゃんが好んで食べていた「ところ芋」がある。[ところ芋」でググってみたが何にもヒットしなかった。「ところ芋」はこの地独特の呼び方か、ひょっとして、未確認植物かもしれない。葉っぱは山芋に似ている。山芋だと思って掘り起こしてみると、形も大きさもは「しょうが」にそっくりの「ところ芋」が出てくる。普通の人は忌々しげにこの芋をミズナラ目がけて投げつける。しかし、スイばあちゃんはにっこり笑って家に持ち帰る。塩茹でした後、こいつを包丁で皮を剥きながら、ムシャムシャと、まるで里芋の塩茹ででも食べるかのように、じつに旨そうに食べるのだ。私には未知の食べ物だったが「さあ食え」と勧められることはなかった。黒バイの売上金を着服したスイばあちゃんのことだから、「さては旨いものを独り占めするつもりだな」と判断した私はスイばあちゃんのスキをみて、ひとつ盗み食いしてみた。期待をしながらひと噛みすると、さすがの雑食人間ウメ少年も「げげげ、なんじゃこれは!!!!!まずい!」と言って吐き出した。世の中にこんな不味い食い物があるとは思わなかった。食感は芋であるが、とんでもなく苦い。苦いなんてものではない。口がひん曲がるほどの苦さであった。熊の胃をキハダの煮汁で煮込んだような味だ。こんなものを、さも旨そうにムシャムシャ食っているばあちゃんの味覚神経に、私は身の毛もよだつようなおぞましさを感じた。ばあちゃんは一体どんな味覚神経をしているのか、私の乏しい想像力の限界をはるかに超えていた。これが教訓になり、私は、パンダが笹を旨そうに食べているからと言って、決して笹にマヨネーズをつけて食べようとは思わなかった。
●苦いと言えばなんと言っても酒である。じいちゃんにつきあって観るていた「水戸黄門」。ドラマの中で、ご隠居さん、助さん、格さんが実に旨そうに日本酒を呑む。子供心にも、酒というのはさぞかし旨い飲み物であろうと容易に想像できた。「もしかしたら、牛乳と同じくらい旨い飲み物かもしれない。だから、子供には呑んでいけないというのだろう」と言う答えを導き出した。じいちゃんと「水戸黄門」を観ながら、「早く大人になりたいな」と、酒が呑める日のことを夢想していた。
「光陰矢のごとし、少年老いやすく学成りがたし」ということでume少年もあっという間に成人して、めでたく、堂々と酒を呑める歳になった。記念すべき日は小振りのお猪口で「グイッ」と酒をのどに流し込む予定だった。で、そうした。そして、結論「げげげ、なんじゃこれは!!!!、まずい!」「ところ芋」以来の苦み成分が私を襲った。こんなものを旨そうに呑んでいる人たちの味覚神経は一体どうなっているのだ?どうしてこんなに苦い液体をを好んで呑むのか不思議に思ったものだ。酒は(むろんビールも)具合の悪いことに酔っぱらうという副産物も伴う。これがなければ、私ももう少し宴席のおつきあいも出来るのだが、下戸が世間に知れ渡ってからというもの、飲み会の誘いがぐんと減ってしまったのは寂しい限りだ。気の合う仲間達との宴席は下戸の私でも楽しい。大食いであるから、けっして割り勘負けはしない。飲み会に誘われなくなったのは大食いのせいかもしれない。
ume家は代々(4代)、当主は酒を呑めない。由緒ある下戸の家系だったが、二人の息子は、DNAの配列が狂ったのか、呑ん平になった。ume家の伝統も息子の代で潰えてしまった。残念なことである。
●残念と言えば、秋の味覚であるキノコに「スギヒラタケ」というのがあるが、数年前に全国で中毒事件が頻発して、死亡事故も起きた。大好物のキノコが突然ベニテングタケの扱いを受けてしまった。スギヒラタケは秋なすと一緒に味噌汁に仕立てるとうまい。杉の倒木に生えるこのキノコは扇形の特徴的な形をしているから、紛らわしい毒キノコもなく、もっとも安全なキノコだと思っていたのに、ある日突然毒キノコになったのだ。今まで何十年も食い続けていたキノコだ、世間からどういう扱いを受けようとも、私は見捨てない。「おまえとなら死んでも良い」とばかりに未だ食い続けているが、家族は誰も食わなくなった。もうじきスギヒラタケの季節がやってくる。
●私は食べ物の好き嫌いがほとんどない。空気さえあれば、多分世界中どこでも生きていけるだろう。およそ口に余るものがないのだ。
フグの活き作りやベニテングタケのソテーは勘弁していただくが、毒素を含んでいない食い物であればたいがいはいける。そんな私でも、苦手な食い物をどうしても、どうしても一つあげろと、刃物で脅されれば、ひとつだけあげることが出来る。それはモロヘイヤである。こいつを食べるとなんだかのどがヒリヒリする。栄養素をたくさん含んでいるという噂だが、のどを通過するときの不快感を考えると、栄養なんてどうでもよい。青臭いにおいも好きになれないし、中途半端なぬめりも気持ち悪い。しかし、世の中にはこんな植物でも好んで食べる人がいるのだから、人間の嗜好は不思議なものだ。
●不思議と言えば、私が子供の頃、スイばあちゃんが好んで食べていた「ところ芋」がある。[ところ芋」でググってみたが何にもヒットしなかった。「ところ芋」はこの地独特の呼び方か、ひょっとして、未確認植物かもしれない。葉っぱは山芋に似ている。山芋だと思って掘り起こしてみると、形も大きさもは「しょうが」にそっくりの「ところ芋」が出てくる。普通の人は忌々しげにこの芋をミズナラ目がけて投げつける。しかし、スイばあちゃんはにっこり笑って家に持ち帰る。塩茹でした後、こいつを包丁で皮を剥きながら、ムシャムシャと、まるで里芋の塩茹ででも食べるかのように、じつに旨そうに食べるのだ。私には未知の食べ物だったが「さあ食え」と勧められることはなかった。黒バイの売上金を着服したスイばあちゃんのことだから、「さては旨いものを独り占めするつもりだな」と判断した私はスイばあちゃんのスキをみて、ひとつ盗み食いしてみた。期待をしながらひと噛みすると、さすがの雑食人間ウメ少年も「げげげ、なんじゃこれは!!!!!まずい!」と言って吐き出した。世の中にこんな不味い食い物があるとは思わなかった。食感は芋であるが、とんでもなく苦い。苦いなんてものではない。口がひん曲がるほどの苦さであった。熊の胃をキハダの煮汁で煮込んだような味だ。こんなものを、さも旨そうにムシャムシャ食っているばあちゃんの味覚神経に、私は身の毛もよだつようなおぞましさを感じた。ばあちゃんは一体どんな味覚神経をしているのか、私の乏しい想像力の限界をはるかに超えていた。これが教訓になり、私は、パンダが笹を旨そうに食べているからと言って、決して笹にマヨネーズをつけて食べようとは思わなかった。
●苦いと言えばなんと言っても酒である。じいちゃんにつきあって観るていた「水戸黄門」。ドラマの中で、ご隠居さん、助さん、格さんが実に旨そうに日本酒を呑む。子供心にも、酒というのはさぞかし旨い飲み物であろうと容易に想像できた。「もしかしたら、牛乳と同じくらい旨い飲み物かもしれない。だから、子供には呑んでいけないというのだろう」と言う答えを導き出した。じいちゃんと「水戸黄門」を観ながら、「早く大人になりたいな」と、酒が呑める日のことを夢想していた。
「光陰矢のごとし、少年老いやすく学成りがたし」ということでume少年もあっという間に成人して、めでたく、堂々と酒を呑める歳になった。記念すべき日は小振りのお猪口で「グイッ」と酒をのどに流し込む予定だった。で、そうした。そして、結論「げげげ、なんじゃこれは!!!!、まずい!」「ところ芋」以来の苦み成分が私を襲った。こんなものを旨そうに呑んでいる人たちの味覚神経は一体どうなっているのだ?どうしてこんなに苦い液体をを好んで呑むのか不思議に思ったものだ。酒は(むろんビールも)具合の悪いことに酔っぱらうという副産物も伴う。これがなければ、私ももう少し宴席のおつきあいも出来るのだが、下戸が世間に知れ渡ってからというもの、飲み会の誘いがぐんと減ってしまったのは寂しい限りだ。気の合う仲間達との宴席は下戸の私でも楽しい。大食いであるから、けっして割り勘負けはしない。飲み会に誘われなくなったのは大食いのせいかもしれない。
ume家は代々(4代)、当主は酒を呑めない。由緒ある下戸の家系だったが、二人の息子は、DNAの配列が狂ったのか、呑ん平になった。ume家の伝統も息子の代で潰えてしまった。残念なことである。
●残念と言えば、秋の味覚であるキノコに「スギヒラタケ」というのがあるが、数年前に全国で中毒事件が頻発して、死亡事故も起きた。大好物のキノコが突然ベニテングタケの扱いを受けてしまった。スギヒラタケは秋なすと一緒に味噌汁に仕立てるとうまい。杉の倒木に生えるこのキノコは扇形の特徴的な形をしているから、紛らわしい毒キノコもなく、もっとも安全なキノコだと思っていたのに、ある日突然毒キノコになったのだ。今まで何十年も食い続けていたキノコだ、世間からどういう扱いを受けようとも、私は見捨てない。「おまえとなら死んでも良い」とばかりに未だ食い続けているが、家族は誰も食わなくなった。もうじきスギヒラタケの季節がやってくる。
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COMMENTS
saheizi-inokori
モロヘイヤがひりひり?好物ですが今度チエックしてみましょう。
スギヒラダケは毒なのですか?滅多に採れないけれど(きのこ狩りにいかないから)採れれば嬉しかったです。もっとも私は見分けがつかないから結構変なきのこも食べているかもしれません。一応宿の人に見てもらいはするものの、山の中で見つけるととりあえずその場でちょっと齧って見るのです。それで変な味がしたら捨ててしまう。
スギヒラダケは毒なのですか?滅多に採れないけれど(きのこ狩りにいかないから)採れれば嬉しかったです。もっとも私は見分けがつかないから結構変なきのこも食べているかもしれません。一応宿の人に見てもらいはするものの、山の中で見つけるととりあえずその場でちょっと齧って見るのです。それで変な味がしたら捨ててしまう。
味覚の秋となりましたね
こんにちは。
私は子供の頃、お正月にほんのすこし舐めさせてもらえる御屠蘇が美味しくて、大人になれば正月以外でも酒が飲める。はやく大人になりたいと切に願ったものでした。願いが叶って今はシアワセです。
私は子供の頃、お正月にほんのすこし舐めさせてもらえる御屠蘇が美味しくて、大人になれば正月以外でも酒が飲める。はやく大人になりたいと切に願ったものでした。願いが叶って今はシアワセです。
saheiziさんそれでも私は食べ続けます。
スギヒラタケ平成16年10月22日に林野庁より食用には不適と警告が発せられています。子供の頃からなじんでいたキノコが突然毒キノコに認定されたのです。16年は大変な猛暑で、キノコの生成に影響を与えたようです。最近は誰もこのキノコを採る人がいなくなったので、取り放題ですが、妙な視線を浴びながら、家族の中で自分だけ違う味噌汁を飲むのは結構勇気がいります。
mitsukiさんクサフグは私も食べました。
mitsukiさんの食べたフグはたぶんクサフグでしょう。スイばあちゃんはよく味噌汁にしてくれました。弾力のある食感は魅力的でした。家族の中では父だけは意気地がなく食べませんでした。私はクサフグとスギヒラタケで大きくなりました。
酔流亭さん下戸は絶対損です。
歌や絵がへたなのも、かけっこが遅いのも、臆病者で優柔不断なのもすべて厳粛なる事実として受け入れておりますが、酒が呑めないのだけはどうもあきらめがつきません。
子供には不憫な思いをさせなくてすみました。
子供には不憫な思いをさせなくてすみました。
「ところ芋の碑」があるそうです
「ところ芋」って初めて聞きました。googleで検索してみたら,東京都あきる野市に光厳寺というお寺があって,そこに「ところ芋の碑」があるそうです。「ところ芋は、山野に自生するつる性の多年草で、その根が食用になった」とありました。http://www.mapbinder.com/Map/Japan/Tokyo/Akirunoshi/Kogonji/Kogonji.html
gakisさん検索ありがとうございます
さすがgakisさん、私もgoogleで検索したのですが、どうせヒットしないだろうと「ところ 苦い」で調べてみました。ところが、それらしい結果が出てきませんでした。ばあちゃんは「ところ」と呼んでいたので「芋」は省略しました。へーっ、へんてこな碑があるんですね。ただ、ばあちゃんが好んで食べた「ところ」とはちょっと違うような気がします。どう考えてもあれを「旨い」と言って食べられるのは100万人に一人だと思うのですが。
あの苦いビールや酒を「旨い」という人もいるくらいだからそうでもないのかなー。
あの苦いビールや酒を「旨い」という人もいるくらいだからそうでもないのかなー。
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私は子どもの頃、父が釣ってきて、父の手料理による天ぷらのフグを食べてました。
今から考えると、よく死ななかったと思います。
トラフグとか名のあるフグではなく、キスの外道の雑フグでしたけど、身がモチモチしていて、キスより美味しかったと記憶しています。